美育文化ポケット8号 美育文化ポケット8号





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第19号裏表紙

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いろんなところを歩いて探して学校の中に見つけた私のすてきな場所。
ここを自然で飾ってみたいなと思う場所はそれぞれに、 高学年の造形遊びは、 向こうの景色とも対話をしているかのようです。
(埼玉県 ・ さいたま市立高砂小学校 飛知和朋子先生)






第19号 こどもの頃の遊びの地図
武蔵野美術大学名誉教授 及部克人

 1976年から1977年にかけて、 武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科3年前期に、 世田谷区経堂にある和光幼稚園児のためのダンボ ール遊具を作ることを課題とした。

 学生たちには、 遊具を作るに先立って、「こどもの頃の遊びの地図」 を描くことを求めた。 自宅から学校までの通学路にある小川や橋、商店街、 八百屋や魚屋やスーパーなどを思い起こし、 次々と描く。 起伏のある地形や樹木の鬱蒼とした屋敷、 駄菓子屋のおばあちゃんの笑顔など、小学校時代の仲間と共有する大切な遊びの世界が描かれた。こどもにとっての遊びは、欠かせない生活のすべてであり、遊ぶことの中から豊かな感情や多様な人間関係が生み出され、 自分自身の価値観が育まれるのだと思う。学生たちは、自らの「遊びの地図」か ら、「遊びのかたち」を着想する。

 当時、 世田谷では新たな住宅が次々と建てられ、 解体した住宅の古材が豊富にあった。 和光幼稚園の秋野勝紀主事の助言により、材木による大型遊具「アラモの砦」「ぐによりベンチ」「大屋根」「権兵衛」「綿ロ ープと材木による織り機のような遊具」 なども作った。ダンボールや木材の遊具に嬉々として 遊ぶこどもの笑顔に、学生たちは夏休みを返上して作った苦労も忘れて喜びの声をあげていた。

 これらの遊びの装置は、美術大学と幼稚園の協力によって行われたが、世田谷では地域社会に結びついた遊び場や遊びの計画、こどもを中心とした イベントなど、各地でさまざまな遊びの試みがなされている。住民運動として発展している例もあり、大人もこどもも一体となって参加していくことで、よりよい都市環境づくりの事例として理解できるのである。



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