美育文化ポケット8号 美育文化ポケット8号





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第20号裏表紙

美育文化ポケット 美育文化ポケット

学校という日常に、暗幕で真っ暗な場所を作るだけで、そこはもう学校の中の非日常へ。
ドキドキしながら中へ進むと、こどもたちの“何かしたい度”もMAXとなりました。
こどもが主体的に動き出そうとする瞬間は、ワクワク感が瞳に映り、きらきらと輝きだします。
(兵庫県・芦屋市立宮川小学校図工展より)






第20号 いつも素直になるための心の扉を開けてくれたピアノ
作曲家/ピアニスト 平井真美子

 私はTV番組やドラマ、映画などのために音楽を作るお仕事をしています。その一方で、日記のように曲を書き綴り演奏する“PianoDiary”というライフワークも続けています。

 “PianoDiary”の始まりは、いつからと言えばよいのか……。2歳半の頃、姉が習っていたピアノに近づいては、音のなる鍵盤を不思議な感覚で触っていたのを覚えています。姉に憧れてレッスン開始。4歳になる少し前のことでした。

 教本に沿った練習より遊び弾きが好きで、毎日ピアノの前に座るとまずは好き勝手にピアノを鳴らし、気分にフィットする音を探して遊んでいました。

 自由気ままな即興演奏なので、楽譜もいらない。指や手の形がめちゃくちゃでも気にせず、窓の外で羽を休める小鳥たちに向かって話しかけたり、「うれしい」や「やだやだ」といった感情をぶつけたり、家族旅行で胸に刻まれた風景や絵本で見た不思議な世界を描いたり、目に留まった人形が主人公の物語を作ったり……。

 閃光のような一瞬、一瞬を、ピアノと過ごしてきました。そんな夢中になれる時間の半面で、鏡のように自分のすべてを映してしまうピアノの前に座ることが、苦しいときもありました。悔しくてピアノをグーでたたいたこともありました。手がじんと赤くなって、涙がでました。嫌なことがあって癇癪をおこしながら弾いた音に、胸が痛みました。ピアノは私の友達。自分と向き合うことはとても苦手でも、ピアノの前ならその孤独と闘う勇気がでるのです。苦しい日々を乗り越えてでも一緒にいたいと思える時間を過ごせたのは、根底にいつも「大好き」があったからだとわかります。

 そんな日々を重ねるうちに、いつしか、音楽をすることがお仕事となりました。自分のためだけではなく、目の前にいる人たちの笑顔が飛び込んできて心が通う喜びや、誰かに求められていることの幸せを経験しています。

 こうして、これまでの歩みを振り返ってみると、いつも素直になるための心の扉を開けてくれたピアノ、そのピアノの前に向かうために支え見守ってくれた先生や家族に、心からの「ありがとう」を伝えたくなりました。



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