「明日のクレヨン」について

「美育文化ポケット」は、2023年12月発行の40号特別企画「ポケット的 クレヨン考」において、
造形活動に欠かせないクレヨンを見つめ直しました。

現在、市販のクレヨンや絵の具には「はだいろ」は含まれておらず、
例えば、ぺんてるではどの色数セットにも「ペールオレンジ」が加わっています。
国際化にともない、さまざまな肌の色がある現実を反映して、
2007年にJIS(日本産業規格)はそれまで日本の慣用色として
独自に設けていた「はだいろ」という色名を使用しないことを決定しました。
今の大人世代と、こどもたちが生きる現在との違い。
私たちは、こどもの絵の人物画に、思い込みや古くなった“常識”を
持ち込んではいないでしょうか。
こどもたちと向き合う「先生」という立場は、
ペールオレンジが投げかける問題と無関係ではいられません。

「美育文化ポケット」は、10年目の節目に
ぺんてるクレヨン工場に赴き、話し合いを重ね、
こどもたちの好きな色、楽しんで使える色を選び抜いた12色セットを作りました。
私たちがこのクレヨンを「明日のクレヨン」と呼ぶのは、
「明日」はこうあってほしいとの願いを込めているからです。
それは、何を、どのように描くのか、つくりだすのか。
こどもたちが、自分で感じ、考え、工夫し、表現する楽しさと喜びを
存分に味わえる時間が保障されている「明日」です。
そんな「明日」をひらく可能性を、このクレヨンに託しました。

●色のお話

しろ 
単独で使うばかりでなく、混色にも欠かせない色。さまざまな使い方ができますが、白そのものは他の色から作ることができないので、本当は2本入れたいくらい。

きいろ 
白同様、黄色は他の色で代用はできない、とても大事な色です。

きみどり 
他の色と混色しやすく、さまざまなニュアンスが生み出せるすてきな色調です。

みずいろ  
澄んだ色あいが、男女を問わずこどもたちに人気です。

ぐんじょう 
青よりも深いぐんじょう。塗り込んだときの美しさを見てほしいです。

むらさき  
こどもたちの大好きな色です。混色でこの色はできないので、ぜひとも単独で欲しい色です。

はいあかむらさき
難しい名前ですが、色の美しさでこどもたちから人気を集めました。こどものセンスは、大人顔負けです。

ももいろ  
ぺんてるクレヨンのももいろはとてもかわいい色。混色で作るのではなく、単品で持っていたい色です。

あか  
色のスーパースター。強さといいかっこよさといい、エネルギーを伝えるのになくてはならない色です。

うすちゃ  
お決まりのペールオレンジから脱する第一歩におすすめの色。混ぜたくなるのがいいですね。

ちゃいろ  
渋いニュアンスを加えたいとき、欲しくなる色。洋服や建物の色としても案外使います。

くろ
大人の想像以上に、こどもには抜群の人気色! 口をそろえて「カッコいい!」といいます。ときには心情を表す色としても必須です。

——「美育文化ポケット」40号より

●パッケージのお話

こどもたちの絵について、考えてみてくださいね。
こどもたちのコメントはこのページの下に紹介しています。

 

 

 

 

 

A・・・運動会で「よーいどん!」をしている先生(3歳児)
B・・・怪獣が東京タワーを襲っているところ(4歳児)
C・D・・・船で宝探し(5歳児)
E・・・雪の結晶(5歳児)
F・・・スピノサウルス(4歳児)
G・・・リオネル・メッシ/サッカー選手(5歳児)