美育文化ポケット 第46号 発刊しました。
第46号 2025 Summer
目次 contents
1 外に出よう! 北園 優
2 special feature 特別企画
こども×
「明日のクレヨン」
全国から届いた
「明日のクレヨン」レポート紹介
8 practice
実践ポケット【こども園】
さがして、みつけて……こんなんになった!!
~明日のクレヨン~
田中満秋子
10【保育園】
全身で分身の術~等身大の自分を描く~
nowa
12【 小学校】
明日のクレヨンで描く「明日(未来)の○○」
八嶋孝幸
14【 小学校】
魔法のクレヨン!
こどもたちの「描きたい!」を叶える物語
木村 仁
16 curriculum design
カリキュラム・デザイン34
特集夏にうまれる
ブリコラージュ
槇 英子+馬場千晶+秋山道広
24 curriculum design
こどもと先生のおどうぐばこ
25 自分の中の「こども」を取り戻す研修ページ
26 pocket interview
大月ヒロ子さん
(ミュージアムエデュケーションプランナー)
33 art in life
僕がみつけた、アートに現れる娘の世界⑩
ちょうちょの国 鈴木 純
34 連載 Arts in LIFE アトリエリスタは語る②
ガチャガチャコロコロ!
―遊び場を自分でつくっていく 磯部錦司
36 連載 アート in SPACE⑳
千葉市美術館(千葉県)渡邉裕樹
38 連載 0・1・2歳児と名づけようのない遊び②
爪の中の感覚中井美月 和泉 誠
40 before art
連載 美術に出会う前の美術⑤
アートから遊びへ 岩崎 清
41 beautiful and pleasant things for children and us
連載 うつくしいこと たのしいこと⑭
「かきしるすこと」佐藤賢司
42 drawing&painting こどもの絵を聴く
42 【幼児の部】小堀桃果
43 【小学生の部】 岡 照幸
44 Q&A 連載 こどもが育つ造形Q&A
森田ゆかり+大泉義一
特別企画 こども×「明日のクレヨン」
全国から届いた「明日のクレヨン」レポート紹介
わたしたちは、いつも「あたりまえ」という顔で箱の中に並んでいる12本のクレヨンたちに、「どうして選ばれたの?」と問いかけてみました。「海の色だから」「木の色だから」という大きな声が聞こえてきましたが、「肌の色だから」という声は消え入るような小さな声でした。肌の色はもちろん、海や木の色にだって、本当は決まった色なんてありません。クレヨンは色づけ用具ではなく、イメージや美を生み出し、色の世界を共に楽しむパートナー。それを体感できるのが、ポケット40号「ポケット的クレヨン考」でデビューした『明日のクレヨン』。「使ってみませんか?」という呼びかけに、たくさんの園や学校から「使ってみたい」という声が届き、楽しい報告が送られてきました。(槇)
「あれ? そういえばいつも見ている色じゃない気がする……」
クレヨンバイキング
馬場 自分の好きな色を集めたクレヨンのセットを作る、「クレヨンバイキング」を楽しんだレポートがいくつか来ています。
大橋 1 箱全部黄緑にした子がいた、こひつじこども園の話がおもしろかったです。大好きなんでしょうね、その色が。
馬場 自分だけの12本セットっていいですね。こんなにクレヨンを揃えられるなら、ぜひやってみたいです。
槇 諏訪保育園は、ずこうクレヨン24色セットを複数購入して、色を選べるようにしたと書いてありました。
大橋 ずこうクレヨンは単色でも買えます。
秋山 「明日のクレヨン」の色選びのときに、よく使う黒や白は2 本入れたかったくらいです。減りが早かったり、なくなったりした色は単色で買い足して使って
ほしいですね。
「なんか色が違う!」
大橋 功+槇 英子+馬場千晶+秋山道広
TEXT BY OHASHI ISAO/和歌山信愛大学 教授(P7),
MAKI HIDEKO/淑徳大学 教授(P2),
BABA CHIAKI/昭和学院短期大学 准教授,
AKIYAMA MICHIHIRO/芦屋市立打出浜小学校 教諭
…続きは本誌で
夏にうまれる Bricolage ブリコラージュ
SUMMER 2025
curriculum design
カリキュラム・デザイン㉞
カリキュラムのデザインは、過去から未来を見通す大人の思いと今をつくり続けるこどもたちの思いが編まれていくものです。こども自身の育ちたい衝動に応じ、明日をつくる力になっているかを振り返り、更新し続けることが大切です。「こうしたい」と「こうしたら」の循環から生まれる「これから」のアート
カリキュラムを一緒にデザインしていきましょう。
こどもたちは、生まれてから絶えずモノと出会い続け、見て触れて聴いて感じて我がモノにしています。幼いほど言葉ではなく、全身で「こんなモノ」「こうするモノ」として取り込み、言葉で枠づけをしないからこそ「こうできるモノ」「こうなるモノ」として、自分をしるす手がかりにするのでしょう。
モノについて語れるようになっても、楽しみ見つけの名人であるこどもたちは、モノの新たな可能性をキャッチして、そもそもの役割という重荷を見事にといて見せてくれます。捨てられても仕方がないような段ボール片から、立たせるという課題解決や動物という表現が生まれ、体育館倉庫に眠る運動用具も、思いやイメージを表す構成材となります。
こうした造形活動は、現状からなんとかする「ブリコラージュ」。行為の背後には、無数のひらめきのネットワークが走り、モノとモノだけでなく人と人をつなぎます。そんな「生きる力」につながるカリキュラムを、身近な環境から探してみましょう。
──「ブリコラージュ」の意味については、45号P19で詳しく解説しています。
槇 英子+馬場千晶+秋山道広
TEXT BY MAKI HIDEKO/淑徳大学 教授(17),
BABA CHIAKI /昭和学院短期大学 准教授(P18-19,22,24),
AKIYAMA MICHIHIRO/芦屋市立打出浜小学校 教諭(P20-21,23-24
写真協力/大和東もみじの森保育園(P17-19,22,24)、
三田市立三田小学校 西田牧子先生(P16,21,24)、芦屋市立打出浜小学校(P20-21,23-24)
カリキュラム・デザインの手がかりとして、表現の起点を 材料・環境から、 イメージ・思いから、 テーマや目的からの3つに分け、育む資質や興味関心への配慮をしやすくしました。アイコンの色で、平面(ピンク)・立体(青)・混合(緑)を示し、主なねらいについては、 発想(感性)、 工夫(創造性)、 かかわりの3つの記号で示しました。
…続きは本誌で