美育文化ポケット 第45号 発刊しました。
第45号 2025 Spring
目次 contents
1 大切なのは、何度でも試して、自由に楽しむこと
リト@葉っぱ切り絵
2 pocket meeting in tokyo
こどもが育つ、大人も育つ
天野ひかりさん
(NHK「すくすく子育て」元キャスター)
10 curriculum design
カリキュラム・デザイン33
特集 春にはじまる ティンカリング
槇 英子+馬場千晶+秋山道広
18 curriculum design
こどもと先生のおどうぐばこ
19 2025年 カリキュラム年間テーマガイド
20 biiku-navi report 美育NAVI訪問レポート39
一人一人の表現を 見守り、育む
3人の先生と3つの部屋
成城学園初等学校(東京都)
ナビゲーター:大橋 功 秋山道広
27 art in life
僕がみつけた、アートに現れる娘の世界⑨
「小鹿のクリスマスツリー」 鈴木 純
28 連載 Arts in LIFE アトリエリスタは語る①
あめとあそぶ 磯部錦司
30 連載 アート in SPACE⑲
府中市美術館(東京都) 渡邉裕樹
32 連載 0・1・2歳児と名づけようのない遊び①
塩飽和也 和泉 誠
34 practice
実践ポケット【幼稚園】
表現することが好きな子に育てたい
石神建太郎
36 【小学校】
「いいこと思いついた!」の種
秋山朋也 橋本正裕 粟津謙吾
38 【美術館】
6トン粘土のワークショップ
塩谷良太 小笠原 森
40 before art
連載 美術に出会う前の美術④
ムナーリの「絵本」について 岩崎 清
41 beautiful and pleasant things for children and us
連載 うつくしいこと たのしいこと⑬
「そらをみあげること」 佐藤賢司
42 drawing&painting こどもの絵を聴く
42 【幼児の部】若山育代
43 【小学生の部】 大櫃重剛
44 Q&A 連載 こどもが育つ造形Q&A
武田信吾+鈴木陽子
こどもが育つ、大人も育つ
pocket meeting in tokyo
ポケットミーティング in 東京 at 聖心女子大学 2024.12.21
天野ひかりさん
NHK「すくすく子育て」元キャスター
「おやこみゅ」NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事
もっと伸ばしたいから。もっと成長してほしいから。
そんな思いから、自分にもこどもたちにも何かを強いていませんか。
今回のポケットミーティングin東京では、言葉を手がかりに、共育のコミュニケーションを見つめました。
大人の言葉が変わったら、
こどもが変わっていきました
私はNHKの『すくすく子育て』という番組で長年司会をして参りました。汐見先生、大日向先生といった方々から、こどもの脳はどう発達していくのか、言葉はどう獲得されていくのかなど、科学的な知識をたくさん伺う機会に恵まれ、それらの知識を次の世代に伝えたくて、仲間と共にNPO法人を立ち上げました。
そこでこどもの表現力を育むプログラムをスタートさせたのですが、3か月を過ぎた頃、どんどん伸びていくお子さんと伸び悩むおさんが現れました。
あまのひかり
親子コミュニケーションアドバイザー/フリーアナウンサー
「おやこみゅ」NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事、杉並区社会教育委員副議長、ティーチングコミュニケーション協会代表
NHK「すくすく子育て」の番組キャスターとしての経験を生かし、大人を対象とした各種講演、セミナーなどで、こどもの自己肯定感を育てるコミュニケーションについて伝えている。
著書/『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』ディスカヴァー・トゥエンティワン、『子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ』
…続きは本誌で
春にはじまる Tinkering ティンカリング
SPRING 2025
curriculum design
カリキュラム・デザイン㉝
カリキュラムのデザインは、過去から未来を見通す大人の思いと今をつくり続けるこどもたちの思いが編まれていくものです。
こども自身の育ちたい衝動に応じ、明日をつくり出す力になっているかを絶えず振り返り、更新し続けることが大切です。
「こうしたら」と「こうしたい」の対話から生まれる「これから」のアートカリキュラムを一緒にデザインしていきましょう。
こどもたちは、問う。あなたは誰?と。見て触れて聴いて感じて、それでもなお、問いかけます。あなたは何ができるの?と。そしてやがて、まだ見ぬものを「観る」のです。観たものを形にしようと動かす手によって、えのぐは「する」ものになり、ホチキス針は花になり、イメージがいじくりまわされ、電車の絵は永遠に終わりません。
こどもたちは、どこがスタートでどこがゴールなのか、何のためのモノだったのか、どうするコトがよいのかから離れ、そもそも問いが何だったのかも忘れて、絶えず新しくモノやコトと出会い直します。私たちは、そんな「ティンカリング」を忘れ、効率性のもと、目的―手段という関係性の中にモノもコトも閉じ込めようとしてしまいます。芽吹きの季節に、問いとしてのモノを環境に配置し、見るコト、感じるコト、観るコト、するコトそのものを愛でる保育・教育を始めてみませんか?
──「ティンカリング」の意味については、P19で詳しく解説しています。
槇 英子+馬場千晶+秋山道広
TEXT BY MAKI HIDEKO/淑徳大学 教授(P10-11)
BABA CHIAKI /昭和学院短期大学 助教(P12-13,16,18)
AKIYAMA MICHIHIRO/芦屋市立打出浜小学校 教諭(P14-15,17-18)
写真協力/大和東もみじの森保育園(P10-13,16,18)、芦屋市立打出浜小学校(P14-15,17-18)
カリキュラム・デザインの手がかりとして、表現の起点を 材料・環境から、 イメージ・思いから、 テーマや目的からの3つに分け、育む資質や興味関心への配慮をしやすくしました。アイコンの色で、平面(ピンク)・立体(青)・混合(緑)を示し、主なねらいについては、 発想(感性)、 工夫(創造性)、 かかわりの3つの記号で示しました。
…続きは本誌で