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第9号 2016 Spring

幼児の造形教育とは
白梅学園大学 教授 無藤 隆

 幼児期の造形教育は造形ということの根源に立ち返ることで見えてくるのではないでしょうか。それは目で形をみることと、それを手を使って作り出すことの往復過程のことです。気持や考えを表すという表現の意義はその後に生まれ、発展することです。

 まず手を動かす。すると変化した見えが誕生する。それは1歳児が殴り描きするところから既に始まっています。サインペンを手に持たせると、紙に対してぐるぐると腕を動かす。おそらく最初は腕によりペンの紙に当たる運動の感触が感じられ、その楽しさで繰り返すのでしょう。しかし、何度かのうちに自分の腕の操作が線を作り出すことを発見します。絵画が誕生したのです。あるいは、積み木を積みます。一段・二段とものがそこにあるから置いてみた。すると、高さが生まれる。立体造形が生まれたのです。砂場に座り、砂を手にかきだし、脇に置く。感触が楽しくて、何度も繰り返す、すると、穴が埋まれ、山が作られることを見いだします。

 高度な造形は、その現れたものに「意味」を見つけられることに気づいたときに始まります。実物を表す形であり、しかもそれを自分で描き出し、作り出せることが分かります。世界はわがものなのです。

 実際には手に入れることが難しいものを手に入れる3つの手段があります。言葉と見立て・ごっことそして造形であり、それを幼児は手に入れるのです。

鼎談 こども・ぞうけい・あそび
大橋 功・河邉貴子・岡田京子

大橋 功:たとえば、作品について聞いてくれる先生の存在。先に決めつけて「ああ、ゾウさんを描いたのね」って言っちゃうと、「うん」で終わってしまうかも知れない。上手な先生だと、「何しているのかな?」なんて聞いてくれる。すると「あのね、ゾウさんがね」とお話が始まる。子供が「よかった」と思う気持ちで語ってくれたときには、「よかったね」と、「すごいのを見つけたよ」という気持ちで語ってくれたときには、「すごいのを見つけたね」と、子供の気持ちを言葉にしてやる、そういう先生の存在自体が受容的環境です。

…続きは本誌で

目次

1  幼児の造形教育とは 無藤 隆

2  pocket interview
ポケットミーティング in 東京
鼎談 こども・ぞうけい・あそび
大橋 功 河邉貴子 岡田京子
司会:水島尚喜

6  biiku-navi report
美育NAVI訪問レポート⑨
滋賀大学教育学部附属幼稚園
滋賀県大津市
ナビゲーター:新関伸也

12  features
特集 えのぐをあそぶ 大橋 功

14  a curriculum for child care
幼稚園・保育園・小学校をつなぐ、造形カリキュラム
保育のなかの造形カリキュラム
馬場千晶

18  小学校1・2・3・4年生の造形カリキュラム
西村德行

20  practice
特集・実践ポケット【小学校】
絵の具とローラーと 鈴木陽子

22  keyword
連載 ポケットキーワード
第9回「フィンガーペインティング」
水島尚喜

23  material and tools
連載 材料・用具のはなし 
第9回 絵の具と「絵」の「具」
佐藤賢司

24  practice
実践ポケット【幼稚園】
土に魅了されて
磯村 満

26  実践ポケット【保育園】
毎日がアートデイ
やってみよう!感じよう!
塚本千鶴 

28  実践ポケット【小学校】
つなげて広げて ゆめの町
服部真実

30  drawing&painting
こどもの絵を聴く【幼児の部】 今川公平

31  こどもの絵を聴く【小学生の部】 佐藤一幸

32  Q&A
連載 こどもが育つ造形Q&A 槇 英子




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