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第3号 2014 Autumn

『いいこと考えた!』
西村德行(東京学芸大学)

 「いいこと考えた!」
子どもたちが楽しげな表情で、こんな言葉を口にすることがあります。どんなことを思い付いたのでしょうか? 傍らでその姿をながめていると、子どもたちは目を輝かせて、なにやらつぶやきながら、材料を並べたりつんだりして、思い付いたことをかたちにしていきます。

 けれども子どもは気まぐれです。思い付いた「いいこと」を夢中に表していても、また新しいひらめきが生まれると、「あっ、こっちのほうがいいね」と、なんのためらいもなく、軽やかに方向転換していきます。そしてさっきまでのことはなかったかのように、また新しく思い付いた「いいこと」を、楽しそうに表していきます。

 こんな子どもたちの姿を、大人は「単なる思い付き」とみているかもしれません。計画性もなく気まぐれで、つい余計な口出しをしてしまいます。しかし子どもたちのそのような姿こそ、造形活動において大切にしたいことなのです。

 「ひらめき」は、子どもの中に新しい世界が生まれた瞬間です。子どもたちは自分の中で生まれたその新しい世界を、形や色に具現化していきます。そしてまた形や色に表していく中で、ひらめきを連続させて、さらに新しい世界をみつけていくのです。

 「美育文化ポケット」をご覧いただくと、そんな子どもたちの姿にたくさん出会えます。素材の質感を何度も繰り返し楽しんでいる子、山のように積まれた粘土で何かを表そうと体全体で格闘している子、色紙を並べながら自分の心地よい組み合わせを確かめている子。いろんな子どもたちの姿があります。でもきっとそんな子どもたちの顔は、笑っています。

 誌面を通して、子どもたちのそんな姿をたっぷりご覧いただくことで、全国の様々な場所で、多くの「いいこと」が、子どもたちの中に生まれることを願っています。

インタビュー
武内祐人さん イラストレーター・絵本作家

 僕がイラストレーターとして絵を描いて生きていこうと思った時、テクニックばかりにこだわって、描けなくなったことがありました。
 そんな時、改めて子供たちが描く絵を見て、子供たちって、テクニックなんて何もないけど、自由な発想で余計なことを何も考えずに、すごくインパクトのある絵や心に残る絵を描いている。その時、「そうだ。テクニックがなくても、こんなに凄い絵が描ける。僕も自由に描きたい。自由に表現できたら凄いやろうな」と気づいたんです。
 でもその後、どこかで行き詰るというか、何が目的で自分が描いているのか分からなくなりました。その時、自分の中でひとつのテーマを見つけ、これを描いていこうと決め、そのテーマを表現し、その想いを伝えるために描き始めました。それが「笑顔」。I wish you are always smiling.です。
 
…続きは本誌で

目次

インタビュー 2
武内祐人さん イラストレーター・絵本作家

美育NAVI訪問レポート③ 6
大地太陽幼稚園 北海道北広島市
ナビゲーター:山崎正明

保育のなかの造形カリキュラム 12
10・11・12月の造形カリキュラム
槇英子+馬場千晶

実践ポケット【幼児】 18
形で遊ぼう!!
駒﨑やよい

実践ポケット【幼児】 20
触って! 感じて!
賴田知子

実践ポケット【低学年】 22
サンゴdeアート
島谷あゆみ

実践ポケット【低学年】 24
見たことない世界と出会う
渡邉裕樹

実践ポケット【特別支援】 26
障害のある子ども達の造形活動2 
藤田錦一

こどもの絵を聴く【幼児の部】 28
羽渓了

こどもの絵を聴く【小学生の部】 29
本間基史

連載 ポケットキーワード 30
第3回「線遊び」水島尚喜

連載 こどもが育つ造形Q&A 31
Q:保育室や廊下などの壁面づくりは、どのように工夫をしていけばいいのかを教えてください。
花原幹夫

連載 材料・用具のはなし 32
第3回 美術出版サービスセンター
森泉彩子




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