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第14号 2017 Summer

表紙

造形の"自由"な時間がこどもは好き
発明家/株式会社ネットマン代表取締役社長 永谷研一

 わが家には小学校6年生の女の子の三つ子がいます。 彼女たちは三者三様ですが「美術工作音楽が大好き」という共通点があります。

 エピソードを一つ紹介します。 1年生のときに三つ子の一番上の子が、 学校から帰るなりプンプン怒っていました。 聞くと、 粘土の授業で「お皿を作ろう」というお題のときに、 次はこう、 その次はこ うと順番に作り方を指導されたというのです。 真ん中の子が「私のクラスでは自分の好きなもの作らせてくれたよ」と言うと、 もっと怒り出し、「ずる一い。 私も自由に作りたかった!」と言うのです。

 まあ「あるあるだな」と私も微笑んで聞いていましたが、 よく考えてみるととてもいい「問い」を示唆している話だと思います。 そもそも何かを作るという行為は「自由」だから楽しいのです。 創造力も存分に発揮されるので「気持ちがいい!」と感じるのでしょう。

 私は拙著「できたことノ ー ト」で、 自己肯定感を上げる手法を書きました。 相対評価される授業では自己肯定感が下がりだし、 次第に「まだその漢字習ってない」「私は算数が不得意」と自分を守り傷つかないようにする言い訳をしだします。 本来学びは「楽しい」ものだったのに「苦しい」ものに変わった瞬間です。 でも学力の達成基準を学年で輪切りにする今の日本の仕組みを変えることは並大抵なことではなく、 変わる予感もしません。

 だからこそ正解のない「自由」な造形の時間がより大事なんだと思います。 こどもたちは夢中になります。 笑顔になります。 饒舌になります。 ものを通じて大人とも話をします。 自分たちが主役になります。 そんな中で生きるうえでもっとも重要な「自分は大事な存在なんだと思う心」が育まれていくのだと感じています。

絵本作家/京都造形芸術大学こども芸術学科 客員教授 tupera tuperaさん
pocket interview

絵本作家/京都造形芸術大学こども芸術学科 客員教授
tupera tuperaさん

"こどものため"と一歩引いている大人も、自分が夢中になって何かを作ってみると、こどもの味方になれるんです。
大人を何とかする。そこを中心にワークショップをしています。

…続きは本誌で

目次

1 造形の“自由”な時間がこどもは大好き
永谷研一

2 pocket interview
tupera tuperaさん
絵本作家/京都造形芸術大学こども芸術学科客員教授

6 biiku-navi report
美育NAVI訪問レポート⑭
宇宙あそびむら
千葉県山武市
ナビゲーター:植英子

10 features
特集 みたてをたのしむ
大橋 功

16 curriculum design
カリキュラムデザイン②
発見と探求と葛藤
槇英子+馬場千晶+秋山道広

24 keyword
連載 ポケットキーワード⑭
美感教育(台湾)
水島尚喜

25 material and tools
連載 素材と道具のはなし②
素材と見立て
佐藤賢司

26 practice
実践ポケット【幼稚園】
つくって遊んでまたつくる!!
安藤ちせ子

28 実践ポケット【小学校】
ひもひもワールド
菊地准史

30 drawing&painting
こどもの絵を聴く【幼児の部】 花原幹夫

31 こどもの絵を聴く【小学生の部】 松岡宏明

32 Q&A
連載 こどもが育つ造形Q&A
黄瀬重義+林耕史




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